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起動
I2Pを起動すると、左サイドパネルのピアセクションの下に表示されるアクティブピアの数が、数分のうちに増えていくはずです。
ルーターの準備が整うと、そこにリスト形式で共有クライアントという名のローカルトンネルが表示され、また他クライアントやサーバーが表示される場合もあります。
そうならない場合は下記のトラブルシューティングの章を参照してください。
これらローカルトンネルがI2Pネットワークへの接続を提供し、BitTorrent、メール、Webプロキシなどのサービスが利用可能になります。
ネットワークデータベースではネットワーク上の既知の全ピアを表示しています。
さらに、既存のピア接続を監視したり、既存トンネルとそのステータスを閲覧したりすることができます。
詳しい情報はヘルプページにて。
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ネットワーク統合
I2Pを起動すると、ルーターをネットワークにブートストラップし(統合し)て追加のピアを見つけるまで数分かかります。気長にお待ちください。
I2Pの起動時、また通常動作中に、サイドパネルのI2Pトンネル構築準備インジケータが、
I2Pが「トンネルを拒否している」ような表示をするかもしれませんが、これは通常の振る舞いです、
ローカルトンネルの隣に緑の丸が表示されたら、I2Pで様々なことができるようになります。
以下でそれらのいくつかを紹介します。
I2Pにおける諸サービス
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秘匿サービスと公開Web閲覧
I2Pでは秘匿サービスWebサイト(「I2Pサイト」)や他サービスにアクセスでき、また自分のサービスをホストすることができます。
また通常のWebにもI2P内蔵のWebプロキシ(アウトプロキシ)経由で匿名でアクセスできます。
HTTPプロキシを127.0.0.1 ポート4444
を使うようブラウザを設定し、それからI2Pサイトやhttp://
またはhttps://
アドレスのI2PサイトやWebサイトを閲覧してください。
アウトプロキシによる匿名インターネットへのアクセスを無効化したい、あるいは変更したい場合は、
I2P HTTP プロキシトンネルエディタ の アウトプロキシオプション下の
false.i2p
用のアウトプロキシ項目を削除または編集してください。
下記「興味深いサイト」の章で、I2Pで提供されているサイトをいくつかまとめています。
また、半公式または非公式的に開発が試みられているたくさんのI2P閲覧ツール作成もあります。
例えば、設定済みFirefoxブラウザプロファイル、
簡単にインストールできるブラウザ拡張機能、
Whonixのようなプライバシー重視のLinuxディストリビューションでの自動ランチャーなど。
これらはどれも興味深いプロジェクトですが、
あなた個人の脅威モデルに合うかどうかを評価してから万全の信頼をするようにしてください。
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匿名メール
PostmanによるI2P用メールシステムが、I2P組み込みメールクライアントまたはお好きな外部メールクライアントからアクセスできます。
アカウントは通常のインターネットへメールの送受信ができます。アカウントについては hq.postman.i2p を参照。
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匿名ファイル送信
I2PSnark はI2Pに統合されており、匿名の暗号化されたBitTorrent送信を提供します。
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匿名チャット
IRCクライアント(例えば HexChat)を起動して 127.0.0.1 ポート6668
のサーバーに接続してください。
IRCクライアントにプロキシを設定する必要はありません; I2PがローカルIRCトンネルを提供します(IRCクライアントでIRCサーバーまたはリモートホストとして設定される)。
localhost:6668
のローカルI2P IRCトンネルで、Postman・Echlon・zl0がI2P上で提供する3つのIRCサーバーのうち1つに繋がります。
しかし、あなたと彼らはどちらも誰がどこにいるのか知りませんし、
通信は傍受防止のためI2Pによる転送において暗号化されています。
ここまでくれば、#i2p-chat
と #i2p-dev
はあなたが参加したいと思うような利用可能チャンネルのほんの一部にすぎません。
またI2Pは監視不能・検閲不能な匿名チャットに向いています。代替IRCサーバー、Jabberサーバー、Webサイトベースのチャットなどにもいいでしょう。
I2P上にあなたの好きなタイプの自サーバを立てたり、開発者であれば自分のI2Pアプリケーションを作るのもよいでしょう。
UDPとTCPプロトコルの両方がサポートされています。
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フォーラムとブログ
通常のブログ、フォーラム、CMSソフトウェアは全てI2P上で動作するはずですが、そうしたソフトウェアを設定する際には、セキュリティに特段の注意を払ってください。全ての関連ソフトウェア(例えば PHP、MySQL、Python、Apache)を最新の状態に保ち、守りを固めてください!
また、I2P上で様々な言語によるフォーラムを運営しているコミュニティが数多く存在します。 詳しくは以下を参照してください。
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I2P用プラグイン
プラグインをインストールしてI2Pの有用性を拡張してください:
ブログ、チャット、ファイル共有などのプラグインが既に作成・移植され、あなたのインストールを待ち構えています!
プラグインや関連情報を wiki.i2p-projekt.i2p で閲覧してください。
開発者であれば、オリジナルのプラグインを書くための完結したフレームワークが文書と共に提供されています。
I2Pにおける匿名の暗号化されたウェブホスティング
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組み込みのWebサーバー
I2Pネットワーク上での秘匿サービスWebサイト(「I2P サイト」)ホスティング用に、I2Pには組み込みのWebサーバが同梱されています:
Jetty インスタンスが http://127.0.0.1:7658/ でリッスンしています。
コンテンツをホスティングするには、
単にファイルを eepsite/docroot/
ディレクトリに
(または標準的なJSP/Servlet .warファイルなら eepsite/webapps
下に、標準的なCGIスクリプトなら eepsite/cgi-bin
下に)
置けばそれが表示されます。
また好きな代替WebサーバプラットフォームをI2P上で動かして組み込みサーバを置きかえたり、別のトンネル上で動かしたりできます。
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トンネルの開始
設定済みのI2Pウェブサーバートンネルを開始すると、あなたのWebサイトが他の人に見えるようになります(ただし発見はできません)。
Webサイトの開始、.i2pドメインの登録、サイトの宣伝についての詳しい説明は、
あなたのI2Pウェブサーバを介し http://127.0.0.1:7658/help/ で閲覧可能です。
興味深いI2Pの秘匿サービス
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Invisible Internet Project (I2P) 公式ウェブサイト
i2p-projekt.i2p: geti2p.netに安全かつ匿名で接続できます。I2Pがどう動作するのか、あるいはどうすれば参加できるのかについて知りたければ、ここが最初に訪れるべき場所です!
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I2Pコミュニティフォーラム
zzzの開発者フォーラムはI2P開発関連の議論を公開しています。
i2pforum.i2p: I2Pに関する問題やアイデア、関連する話題が議論されているフォーラムです。
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I2P プラネット
planet.i2p: I2P周辺のニュースやイベントを集め一箇所にまとめて公開するRSSアグリゲータサイトです。コミュニティの出来事を追うには良いサイトです!
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I2P ネットワークの状態
stats.i2p: zzzが運営する、I2Pネットワークの監視サイトです。ネットワークパフォーマンスの様々な側面をチェックできます。
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I2P バグトラッカ - GitLab
git.idk.i2p: I2Pの問題報告およびバグトラッキングシステムです。もし報告したい問題があれば訪ねてください。また、 https://i2pgit.org/でもアクセス可能です。
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ディスカバー I2P
数多くの秘匿サービスが存在します - このサイトからリンクをたどり、好みのサイトをブックマークし、頻繁に訪ねましょう!
トラブルシューティングと助けを得る方法
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辛抱強く待ちましょう
I2Pの初回起動のネットワークへの統合は、ネットワークへの立ち上げとピア探しのため、時間がかかることがあります。
I2Pルーターの稼働が長いほどパフォーマンスはよくなりますので、
ルーターをできるだけ長く、できれば1日24時間・週7日つけてみてください!
もし30分後、アクティブ: [接続済/直近] のカウントが依然10ピア未満、あるいは統合ピアの合計が5未満である場合は、問題確認のために行うことがいくつかあります。
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設定と帯域幅割り当ての確認
I2Pが最もよく機能するのは、帯域幅設定セクションにあなたのネットワーク接続速度が正確に反映されているときです。
デフォルトではI2Pは比較的保守的な値に設定されていて、これは多くのユースケースには適しません。
ですから、時間をかけてこれらの設定を検討し、必要があれば修正してください。
帯域幅割り当て、特に上り帯域幅が多ければ多いほど、ネットワークから得られる利益は大きくなります。
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ファイアウォール、モデム、ルーター
可能なら、あなたのモデム・ルーター・PCファイアウォールを適宜設定して、
インターネットからファイアウォールなしでI2P/Javaにアクセスできるようにしてください。
厳しいファイアウォール下にあっても、非制限の発信アクセスが可能な場合は、I2Pは依然機能します;
着信アクセスを停止し、ネットワークに繋げるよう SSU IP アドレス検出を使ってください(ファイアウォールのホールパンチング)。
すると、サイドパネルのネットワーク状況に「ネットワーク: ファイアウォール下」と表示されます。
最適なパフォーマンスのためには、I2Pの外部ポートがインターネットから見えている状態にしてください。
詳しい情報は下記。
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プロキシ設定の確認
Webサイトが全く(i2p-projekt.i2p すら)見られない場合、
ブラウザのプロキシが(httpsではなく、socksでもなく)httpの 127.0.0.1 ポート4444
経由に設定されているか確認してください。
援助が必要な場合は、I2P用のブラウザ設定ガイドがあります。
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ログの確認
ログが問題解決に役立つかもしれません。
抜粋を我々のヘルプ用フォーラムに貼り付けるか、
あるいは paste に貼り付けて ヘルプ用IRC にリンクを投稿するとよいかもしれません。
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Java が最新であることの確認
Java が最新であることを確かめてください。
ログページ先頭のJavaバージョンを確認してください。
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古いハードウェア上で起動時に問題
[Linux/BSD] i2p/i2prouter start
でルーターが起動できない場合、同じディレクトリ内のrunplain.sh
スクリプトをお試しください。
I2Pを起動するのにroot権限は必要ありません。
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Universal Plug and Play(UPnP)の有効化
あなたのモデムまたはルーターはおそらく自動ポートフォワーディングのためのUPnPをサポートしています。
UPnPサポートがモデムやルーターで有効になっていることを確認してください。
それからI2Pルーターを再起動してみてください。
うまくいっている場合、I2Pルーターの初期接続テストが済めば、I2Pは「ネットワーク: OK」とサイドパネルに表示します。
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ポートフォワーディング
接続しやすくするため(理想的にはUDPとTCPの両方で)、モデム、ルーター、ファイアウォール(群)のI2Pポートを開放してください。
ポートフォワーディングの方法についての詳しい情報は、Web検索で容易に見つかります。
万一問題があれば、以下にまとめた我々のフォーラムやIRCチャンネルに援助を依頼するとよいでしょう。
I2Pはhttpまたはsocksプロキシ経由でのインターネットへの接続をサポートしていないことに注意してください。[パッチ歓迎!]
ただし、一度ネットワークに繋がればI2P自身を経由してプロキシに接続ができます。
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オンラインサポート
I2P Webサイトの情報やI2P議論フォーラムへの投稿を検討したり、
I2P内部のIRCネットワーク - Irc2P 上の #i2p または #i2p-chat へ立ち寄ったりするとよいでしょう。
これらのチャンネルはI2Pの暗号化・匿名ネットワークの外側でも Freenode IRC経由で利用可能です。
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バグ報告
バグを報告するには、 git.idk.i2p または、クリアネットから https://i2pgit.org/ で、チケットを提出してください。
開発者関連の議論のために、zzzの開発者フォーラムを訪れてください。もしくは、I2PのIRCネットワーク上の開発者チャンネルに遊びに来てください。
開発者はgit.idk.i2pでソースを閲覧できます。
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参加しよう!
I2Pは主にコミュニティメンバーの無償で自発的な参加によって開発され維持されています。
寄付は歓迎です。必須のホスティングと管理コストに使われます。
我々は、開発者の参加の動機となるように、I2Pの要素に対する報奨金を用意しています。
I2Pを育てるため、Javaコーダー、翻訳者、後援者、ユーザを常に求めています。
I2Pネットワークが大きくなればなるほど、全員へのメリットは増えます。
ですので、単に友人全員にI2Pについて教える
(そして必要な場合インストールと設定に手を貸してあげる)だけでも助かります。
どのように参加すればいいのかについての詳しい情報は、
Webサイトの有志ページを確認してください。